2020年NBAドラフト候補 ⑤Onyeka Okongwu

  ⑤Onyeka Okongwu #21



身長 206cm(6’9”)
ウイングスパン 216cm(7’1”) 
年齢 19.7歳(1年生)
ポジション F/C
似ている選手 アデバヨ
体重 111kg(245lb)


概要

優れた身体能力とそれを活かしたディフェンス・リバウンドが持ち味のアンセルフィッシュな若きビッグマン。ありがちな素材型の選手と違い、特にディフェンス面において基礎がしっかりと根付いた選手。攻守問わず随所に判断の速さやIQの高さを見せており、オフェンスリバウンドへの嗅覚も併せてNBAでも十分通用するだろう。自らプレーを組み立てる能力やポストプレーの技術はほぼない。フリースローは72.0%とまずまず。現状3Pは全く打てないが、たまに見せるミドルジャンパーのフォームは意外と悪くなく、今後の成長次第ではプレーエリアを広げる可能性もあるか。


長所

第一に身体能力の高さが挙げられる。今ドラフトで似たサイズを持つトッピンやアチューワとざっくり比較すると、以下のようになるだろうか(筆者の主観的な比較のため、実際の数値は不明)

ジャンプ力    アチューワ≧トッピン≒オコング
トップスピード  アチューワ≧トッピン≧オコング
敏捷性      アチューワ≧オコング>トッピン
パワー      オコング>トッピン>アチューワ

比較した2名との最大の違いはインサイドで踏ん張れるパワーである。また純粋な身体能力だけでなく、オコングはコンタクトを厭わず攻守にわたり試合を通して常に体を張れる選手である。

コンタクトの強さはボックスアウトやスクリーンにも表れている。身体能力に優れていて、なおかつこういった基礎的なプレーをサボらずこなすことができる選手は特にカレッジ1年生という年齢には珍しく、現代のNBAのトレンドから考えても非常に需要の高い「スイッチできるリムプロテクター」として重宝されるだろう。

リバウンドは非常に粘り強く、またオフェンスリバウンドにおけるある種の嗅覚のようなセンスにも優れていると感じた。ボールがリングにはじかれてからの動き出しが非常に素早く、なおかつボックスアウトもきっちりこなすためNBAでも十分通用すると考えられる。プットバックも多く、Cポジションの選手とマッチアップすることを苦にしない。(1試合平均 OR3.3本、DR5.4本)

優れたパワー・スピードを活かしたディフェンスは素晴らしく、豪快なブロックもしばしば見せる(1試合平均2.7ブロック)。またこちらも基礎がしっかりとできており、ガードのドライブに対してはまっすぐ跳んでシュートコースを両手でふさぐ、ブロックが届かないときは相手の視界をなるべく遮るなどギャンブルしすぎないある種老獪なディフェンスを見せる。

またオフボールディフェンスでも、相手のパスを予測して細かくポジションを修正することができる。ヘルプディフェンスのタイミングも良く、ローテーションミスでフリーの選手を作ってしまった際も素早く判断してリカバーすることもできる。戦術の理解度だけでなく自ら考えてプレーできている点が非常に好印象。

オフェンス面はかなり粗削りではあるが、それでもディフェンス同様IQの高さが見受けられる。アウトサイドシュートのない選手であるため基本的にはインサイドにポジションをとっているが、味方のドライブに合わせてマッチアップ選手をインサイドから押し出してスペースを空けるようなプレーも目立った。

またアリウープフィニッシャ―としての能力も素晴らしい。NBAでより支配的なハンドラーと組めば脅威になりうる。

たまに見せるユーロステップなど意外なうまさを見せることがあり、ハンドリングを磨けばオフェンスのバリエーションが広がりそう。

フリースローは72.0%と及第点。

攻守の切り替えも早く、ハイテンポのバスケットボールにも適応できそう。

ルーズボールに強く、またボールコントロールが上手いためファンブルも少なめである。


短所

最大の短所はやはりプレーエリアの狭さである。インサイドワークに関しては問題ないが、ジャンプシュートは非常に苦手としており、シュートチャートを見ても得点パターンはほぼリム周りである。



フォーム自体はそれほど悪くなく、フリースローにも大きな問題は見当たらないため今後ある程度改善する可能性はあるが、現状のままだと外のないインサイドプレーヤーと同時に起用することは難しいかもしれない。

また一部ではビッグマンとしてはやや小柄なサイズを懸念する声もあるが、スモールラインナップのビッグとしては十分なサイズともいえる。身体能力もあるため、リバウンドとディフェンスに優れているのであればそこまで問題にならないと筆者は考えているが、実際のところはNBAでプレーしてみないと分からない部分ではある。

現状でも十分インサイドで戦えているが、さらに体をビルドアップすることができればよりセンターとしての適性が上がるかもしれない。

インサイドの得点パターンも少なく、特にポストプレーの技術が拙い。前回アチューワについて書いた記事でも述べたが、ミスマッチが生じた際に最低限のポストプレーの技術は欲しいところ。


予想指名順位

3~10位

各チームのニーズや補強戦略にもよるが、IQの高いディフェンシブなF/Cとして非常に優秀な選手であるため高順位での指名が予想される。若くポテンシャルがあるためじっくり育ててアデバヨのような中核選手になれるか。





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